飲食店営業許可の取り方

飲食店を開業するには、開店地域を管轄する保健所から飲食店営業許可をもらわなければなりません。

 

その手順を図を用いながら詳しく解説していきます。

 

開店するお店の場所と、開業資金調達の目処がついたら早めに営業許可申請の準備に取り掛かりましょう。

 

 

1.保健所への事前相談

飲食店営業許可にも、店内設備や構造の要件というものがあります。

先走って内装を完成させてしまうと、後になって設備構造要件を満たしていないということもあるかもしれませんので、申請に慣れていない人は、内装業者が工事に着手する前に保健所に出向いて事前相談をしましょう。(事前相談は必須ではなく、また、原則として予約不要です。)

事前相談には店内の図面を持っていきます。

図面はどういうものでもいいですが、内装業者を入れるのであればそこから図面をもらえることが多いですから、それが一番楽で分かりやすいです。

もしくは不動産屋さんからもらった図面(テナント募集図面でも可)など。

全くなければ自分で作るしかないですが、手書きでも「ある程度店内の形状などがわかれば良い」程度で構いません。
今回は事前相談ですからね。申請するわけではないので気楽にいきましょう。

 

この事前相談で保健所の方が図面を見ながら「ここが厨房ですね?じゃあここには最低2つの流しを入れてください、あと手洗器も・・・」などアドバイスをくれますので、しっかり控えておきましょう。

 

 

2.食品衛生責任者を用意する

飲食店を営むには、お店に最低一名以上の「食品衛生責任者」を置く必要があります。

経験上、営業許可を申請されるのが個人であれば、その方自身食品衛生責任者になるパターンが多いですね。

調理師免許などを既にお持ちであれば特に何もする必要はないですが、何も心当たる資格がなければ食品衛生責任者養成講習会を受講しましょう。講習会はいつも混み合うため、早めに受講申込することをおすすめします。

講習を1日受ければ晴れて食品衛生責任者となることができます。

食品衛生責任者の詳細ついては別ページ「食品衛生責任者」をご覧下さい。養成講習会の受講方法も書いています。

⇒ 食品衛生責任者のページを見る(別タブ、別ウィンドウで表示されます)

 

3.内装工事が進んでいる間、許可申請書等の準備をする

テナントを居抜きで借りた場合も、よほどのことがないと多少は内装を入れることだと思います。

内装工事は規模によって1日で終わることもあるでしょうし、2週間以上かかることもあるでしょう。

 

この間を使って、許可申請書などの準備をしていきます。

申請に必要な書類を図を用いて解説していきます。

 

a.営業許可申請書

飲食店営業許可申請書最も重要な書類です。

(サンプルはクリック又はタップすると拡大してご覧いただくことができます。)

書類は、保健所でもらうか、インターネットで「飲食店営業許可申請書 ○○(地域)」で検索して保健所のサイトで公開されているPDFなりWordなりをダウンロード、印刷して使いましょう。

作成自体はそんなに難しいことはありません。

これから各箇所の書き方をご説明します。

 

ⅰ)許可申請書上部

許可申請書書き方1

 

①には、申請する保健所の名称に「長」をつけて書きます。申請する保健所は、お店を開く地域を管轄する保健所です。

東京都多摩地区の管轄は「保健所の管轄(東京都多摩地区※島しょ除く)」でご確認ください。

②は申請する日付ですが、厳密には「申請が受理された日付」を書きますので、空欄のまま持って行って、保健所の方が申請書を受け取ってくれたあとにその場でその日の日付を書けば充分でしょう。

③は申請する人の郵便番号、電話番号、住所、氏名、生年月日を書けばOK。ちなみに、飲食店営業許可が出たあとに警察署へ風俗営業の許可申請をする方は特に、住所の部分は「1-20-21」という表記は避けて「一丁目20番21号」など、堅苦しい表記にしておいた方が何かと安心です。

どうでもいいことですが、飲食店営業許可申請書には印鑑を押す必要ないんですね。

 

ⅱ)許可申請書中部

許可申請書書き方2

④の部分は、新規許可申請なので「新」に○をつけるだけです。

⑤はお店の場所ですが、ここは後々風俗営業許可を取ろうとしている人は特に、きちんとした表記で、間違いの無いようにしてください。

電話番号についてですが、申請の時に既に決まっていればそれを書きますし、決まっていない場合は空欄で構いません。

⑥はお店の名前です。ここも正確に。営業許可書はここに書いた表記で記載されますので、平仮名、カタカナ、アルファベット大文字小文字の違いにも気をつけて記載します。

⑦は新規許可の場合、見本通り「飲食店営業」と書くだけ。日付等は空欄のままでOK。もちろん、取りたい許可が喫茶店営業許可の場合はここには「喫茶店営業」と記載します。
⇒飲食店営業と喫茶店営業の違いを確認したい方は「飲食店営業許可と喫茶店営業許可」を参考にしてください。

 

ⅲ)許可申請書下部

許可申請書書き方3

⑧と⑨については、どちらも食品関係の営業許可についての「欠格事由」に当てはまることが無いことを宣言するために、「なし」と記載します。ちなみに、ここに「あり」と書かなければいけない事情がある方は許可は取れませんので、そもそも「なし」以外には書きようがないのです。

⑩はお店に必ず一名以上必要な食品衛生責任者には誰がなりますか?ということなのでその人の氏名を記載します。

⑪には、⑩で書いた人が何の資格をもって食品衛生責任者になるのかということが聞かれています。栄養士であれば「栄」に、調理師であれば「調」に○を付けるのですが、ほとんどの方が食品衛生責任者養成講習会を受けてなられますので、見本でもそのようにしています。「養講」に丸をつけて、養成講習を受講した日付及び食品衛生責任者手帳の「受講修了証」ページ右上部分の「東食養×××××××号」の番号を記載しましょう。

あと、⑩⑪について「食品衛生責任者養成講習を受ける予定ではあるけど、会場が埋まっていて許可申請に間に合わない」という状況の場合は、⑩に氏名を書き、⑪部分は「養講」に○を付けるだけで構いません。別途、「誓約書(食品衛生責任者ページ参照)」にも署名捺印して提出することによって受理してもらえます。(東京都の場合)

 

地域により多少書式の違いがありますが、以上までを書ければ基本的には大丈夫です。

 

b.営業設備の大要


営業設備の大要許可申請書と同じく、保健所でもらうか、インターネットを利用して保健所サイトからダウンロードしてください。

この書類は、お店の設備に関しての状況を保健所にあからじめ知ってもらうための書類です。

見本はクリック(タップ)すると拡大してご覧いただけますので、参考にしてください。

各項目に当てはまるところに○を付けるのが基本的な作業となります。

 

できるだけ埋めるようにしたいところですが、内壁や天井の材質などよくわからないところもあるにはあります。

不動産屋やテナントのオーナーに聞いてみたり、内装業者を入れる方は内装業者に尋ねてみるのも一つの手かもしれません。

ただ、それでも分からないところは空欄で構いません

これを埋めないと許可申請できないということではありません。

この書類は、保健所が店舗の検査に行く際に参考にするためという意味合いが大きく、どっちにしろ保健所の方が店舗を確認するので、その時に衛生上の問題がなければ許可が出るわけであって、あまり長々と悩まないようにしましょう。

 

c.営業設備の配置図

haitizuこれは、一応「b.営業設備の大要」の裏面という扱いですが、別々に印刷しても大丈夫です。

毎度、見本はクリックすると拡大できるので参考に。

 

とは言っても、右上に店舗の周辺地図を書いて、方眼紙のようになっているところに店舗の図面を書くだけなのですが。

当事務所の場合、右上の地図はかなり簡略化したものを書きます。

そもそも、今の時代は許可申請書に店舗の所在地も書くわけで、それをネットで調べればすぐに地図も出るので単に位置を示すだけの図はいらないと思うのですが、昔からの名残かなと思ってみたり。

一点だけ、当事務所の場合、ここの地図は基本的に手書き又は見本のように簡単にパソコンで作ったものを貼り付けますが、Googleマップを印刷して該当部分を切り取った上で貼っても良いでしょう。

しかし、厳密にはGoogleマップやYahoo地図などをそのまま貼ることは利用規約に反するということになります。

現実に何か突っ込まれて損害賠償を受けるということもないでしょうけれども、当事務所はプロとして慎重に業務をしているだけなので、手書きを含めた自作地図で対応しているというわけです。

もしくは、その欄に「別途地図参照ください」など記載して、別にA4で地図1枚用意することでも構いません。

 

図面については、ここに手書きで書くか、又は見本のように別途図面参照などと書いて、別に図面を用意する方が何かと楽でしょう。

一例として、図面は下のようなものを添付します。これは、内装業者さんが出してくれた図面なので見た目がいい方です。

保健所の事前相談に持っていく図面

ただ、実際に図面に反映されていないところは手書きで書き加えています。

 

d.食品衛生責任者の資格を証明するもの

これは単純な話で、飲食店営業には必ず必要となる食品衛生責任者の方が本当にその資格を持っているか確認するためです。

調理師の方だったら調理師免許証。

食品衛生責任者講習を受けた人は講習後即日もらえる食品衛生責任者手帳です。

なお、許可申請の時点で食品衛生責任者の資格が取れていない!という方はこちらのページもご覧下さい。

⇒ 食品衛生責任者のページを見る(別タブ、別ウィンドウで表示されます)

 

e.水質検査成績書(お店の水道が、貯水槽を通ってきたり、井戸水だったりする場合)

これは「水道直結」の方は必要ありませんが、例えばテナントビルの空中店舗でお店を開く場合、大抵その水は水道管直結ではありません。もちろん、地下1階でも地上1階でも直結じゃない物件がたまにあります。

 

先ほど説明した「b.営業設備の大要」の中にも水道が直結なのか、貯水槽などなのかを書くところがあります。

ここです。「給水」の部分。


水道直結or貯水槽or井戸水

水道管直結は、外から引き込まれている水道管から直接、上水道水が出せる状況を言います。

一方貯水槽を使っている場合、まずはビルの裏などにある大きなタンクに一旦水を大量に貯めて、そこから空中店舗などへポンプで水を引き上げることをいいます。

要はビルの設備である貯水槽を経由しているため、水質が行政によって担保されなくなり、毎年最低1回は検査をしなければならないのです。

自分所有のビルでない限り、大抵オーナーや管理会社がやってくれていますので、「直近の水質検査成績書を下さい」と頼みましょう。

もしかすると「貯水槽清掃報告書」のような何枚もある書類を渡されるかもしれませんが、その中のどこかに水質検査成績書が入っています。

水質検査報告書こういつやつですね。画像クリックで拡大します。

この例では、タイトルは「水質検査結果書」となっていますが、構いません。

右上の方に日付が入っており、この日付が検査結果を出した日という扱いになりますので、営業設備の大要の該当部分にもその日付を入れておきます。

 

 

4.飲食店営業許可申請

書類が揃ったら、いよいよ申請です。

保健所に行って申請をします。なお、申請には原則として予約不要でそのまま窓口に行きます。

この時、書類一式はもちろん、念のため印鑑を持っていきましょう。(多分使わないですが)

 

店舗の内装を入れている場合、必ずしもその内装が完成している必要はありません

およそ次の状態になる目処がついたら申請に行きましょう。
※申請に行ったらすぐに保健所の検査が入るわけではありませんので、申請時というより、検査時までに次のことが完成していればよいでしょう。

  • 客室と調理場を分ける仕切り(スイングドアなど)が設置されている
  • 2層以上の流しが設置されている
  • 水はもちろん、お湯が出る
  • 調理場とトイレに手洗いがあり、消毒装置(液体ソープなど)も設置されている
  • 食器棚があって、そこにはちゃんと扉までついている(別途、ボトル棚などがある場合、そこには扉は必要ありません)
  • 冷蔵庫の中に温度計を設置している(安いやつで可)

許可申請書を窓口に提出すると、保健所の人もだいたいその辺を質問してきます。

そして、書類上問題がなければ手数料を現金で支払います。

東京都で新規申請の場合、18,300円です。

その後、店舗の地域を担当する方と、店舗の確認検査の日時を決めて申請はひとまず終了です。

 

5.施設完成の確認検査

申請時に保健所担当者と決めた日時に、検査が行われます。

必ず立ち会ってください。

 

担当者によってはかなり簡易的に確認するだけですし、きちんとお湯が出るところ、冷蔵庫の中の温度計のチェックまで行う担当者もいます。

 

ここで何か引っかかった場合、改善すべき点を伝えられ、後日再検査となります。

 

一方、特に問題なければ検査はクリア。許可です。

但し、営業許可書はその場ではもらえず、後日受け取りに来てくださいと言われ半切れ紙を渡されます。

こういうやつ。営業許可書の交付予定日も書いてありますね。

hikikae

この紙切れは、こう見えて営業許可書の引換券の役割を果たしますのでなくさないようにしましょう。

 

保健所が出している手引きには、「営業許可書が交付されるまでは開店できません」と書いてありますが、ごくまれに、検査クリア時に「明日から営業して大丈夫です」と言われることがあります。それでいいのか保健所、と言いたくなりますが、実際あったことなので、一日でも早く営業開始したい方は、その場で保健所の方に「いつからオープンしていいですか?」と聞いてみるのも良いでしょう。

 

また、保健所サイドとしては許可書の発行に余裕を持たせたい面もあるので、デフォルトでは検査当日から10日後くらいに発行できます、というスタンスのようです。

この点についても、一日でも早くオープンさせたい、又は風俗営業許可または深酒営業届出が必要な方で、飲食店営業許可書を急ぎたいという方は、丁寧な姿勢で保健所の方に「もう少し早くならないでしょうか?」と尋ねてみましょう。

ほとんどの場合、善処してくれます。

 

6.営業許可書の受け取り

というわけで、半切れ紙と印鑑をもって保健所に出向き、営業許可書を受け取りましょう。

自分で行けない場合は、半切れ紙を誰かに渡して、その人に行ってもらうこともできます。

その際必要なものとしては、受取に行く人の認め印と身分証です。

 

営業許可書を受け取ったら、店舗のどこかに掲示しておくことが必要です。

これで、飲食店営業許可の一連の手続きは終了です。

 

きちんと許可を取って、正しく営業していきましょう。

 

手続きを依頼する方法

やっぱり自分でやるのは面倒だ、不安だという方もご安心ください。

こだたま行政書士事務所では、東京多摩地区で飲食店を開業をサポートしています。

煩雑な手続きから解放されて開店準備に専念したい経営者の方はぜひ当事務所へご依頼ください。

飲食店営業許可申請代行

 

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