風俗営業許可

【同業者向け】保全対象施設の調査方法 ~こだたま行政書士事務所の場合~

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今回は風俗営業許可の道のりのうちかなり初期にくる割に大きな山場でもある保全対象施設の調査についてです。
画像は関係ありません。

 

風俗営業許可の対象となる店舗を開店するにあたっては一定の施設(学校や病院等。これを保全対象施設といいます。)から10m~100m離れていないと許可されないというとんでもなく気を遣うルールがあります。

 

さらにこれ、許可申請時に何もなくてもその2ヶ月後くらいに許可が出た時に何か新しく出来ていると許可が下りないという鬼ルールです。

新規に店舗を借りて高額な契約金を支払い内装工事を入れて高額な工事代金を支払い、いざ許可申請して受理されて喜んでいたら許可が下りる直前で保全対象施設が登場してダメになりました、なんて洒落になりません。

しかし実際は申請をしたときに何もなさそうだったのに、許可がおりるときにいきなり保全対象施設が出来ているということはほぼありません。

病院や認可保育所、幼稚園などは何の前触れもなく出来上がるものではないですし、申請前の調査をしっかりやっていればほぼ問題ないでしょう。

 

「でも、その調査が不安なんだよおお~~~」

と思っている行政書士のアナタ!
最初は誰だってそうなのです。

当事務所も最初は調査の段階で夜も眠れませんでした。(嘘)

 

そこでこのページでは、これから風俗営業許可を扱ってみたいという同業者のために当事務所の手の内を明かすという神回です。
でも、書ききれないニュアンス的なものも含まれるので何かあっても当事務所のせいにはしないでくださいね。
(なお、本人申請で許可を取ろうと思っている開業者の方はできれば調査と店舗測量~図面作成、その他書面作成は行政書士に依頼された方が良いかと思います。)

 

基本的には東京都の例でいきます。
自治体によって情報公開のレベルが違うので、使えない情報だったらすみません。

まずは地図で大枠チェック。GoogleMap等を活用

最近は便利なもので、GoogleMapなどのネット上の地図でいろいろなことが分かるようになりました。

まずはそのような地図で

  • 「地名 幼稚園」
  • 「地名 保育園」
  • 「地名 病院」

などキーワードを入れて調べましょう。他にも「図書館」や「学校」など。「地名」の部分にはもちろん店舗予定地の駅名や町名を入れるのですよ。

そこで幼稚園などが店舗予定地のど真ん前にある場合は基本的にもうダメです。一応、その自治体のウェブサイトなどで現存する幼稚園なのかを調べますが、大抵現存していますので厳しいです。大学のサテライトキャンパスなどは意外と近くにあっても大丈夫な場合があるので諦めないようにします。

病院などは風営法で問題になる本当の意味の病院(病床が20床以上)ではなく町医者さんも出てきますのでそれはあとで詳しく調べます。

この時点では「お、一発NGな要素はなさそうだな」ということがボンヤリ分かればいいでしょう。次に進めます。

 

医療施設系のチェック

風俗営業法の保全対象施設で医療系としては病院があります。一言に「病院」といっても風営法上問題となる病院とそうでないものがあります。

問題か否かを分けるポイントは、入院設備(≒病床)の数です。
病床が全くなければ基本的にスルーして大丈夫。これは開業医などの町医者に多いパターンです。

しかし見た目は町医者で誰も入院してなさそうでも、許可上では病床があるかもしれません。
それをしっかり調べる必要があります。

東京都の場合はこのサイトを使います。

以前は東京都でも病床の有無確認は保健所に出向いて台帳を見る、のようなことをやっていましたが今や時代遅れというか、保健所の方に確認したところ、上記サイトをくまなく確認すればわざわざ台帳を見に来る必要はないとお言葉をいただきました。

 

このサイトの「キーワードで探す」の欄に店舗予定地の市区~町名を入力して検索してみます。

 

すると病院や診療所(クリニック)、歯医者がまとめて一覧で出ますのでひとつひとつチェックしていきます。
病床が存在する病院、診療所については個別ページの「基本情報」部分に「病床種別及び届出・許可病床数」を見るという項目があります。

こんな感じです。

この項目がなければ、病床がないということです。
あったら病床数も見てみましょう。

99床もありました。完全な「病院」なので保全対象施設です。

こんな感じで病院、クリニック(歯医者含む)の事前調査は大丈夫です。
また、このサイトでは助産院も対象に含めてくれていますので医療系はこれで概ねOKということです。

 

児童福祉施設系の調査

病院と同じく重要なのが児童福祉施設です。
保育所や児童館などの他、障害児の施設などが該当します。

東京都の場合、ここでも情報公開のありがたみを感じるサイトがあります。

こちらです。

 

これはかなり重宝しておりまして、かなりの情報量が一度に、それも編集可能なExcel形式で提供されております。
下の画像のとおり、「保育所」や「児童福祉施設等」はダウンロードしましょう。

 

定期的にアップデートされているので新鮮さも安心です。さすが東京都です。

 

母子生活支援施設は所在地非公開

なお、児童福祉施設等のファイルの中に含まれる母子生活支援施設について所在地は公開されていません。
これは当然で、DVなどから逃れてきた母子を保護する施設ですから所在地をバラして加害者から追いかけられても困りますので。

従ってこの母子生活支援施設については調査するには限界があります。
ただ、風俗営業許可の舞台となる商業地域の周辺に存在することは考えづらいですし、どうしても不安であれば市役所などに出向いて「この地点に開店を予定しているんだけど、ここから半径50m以内に母子生活支援施設があるかどうか」くらいであれば教えてくれるかもしれませんので参考にしてください。

 

公園も児童福祉施設?

そういえば「公園」も保全対象施設になると聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
公園については、確かに一部対象となります。

それが「児童遊園」と言われるものです。

ただ最近は児童遊園の扱いがずいぶん減っているようで現在ではほとんどの公園は問題になることがありませんが、念のため東京都の児童遊園の一覧が入手できるページもご紹介しておきます。

 

教育機関系の調査

幼稚園、小学校、中学校、高校、大学などですね。

このうち、ほとんどの情報はその市区町村のウェブサイトに掲載されていますが他にもチェックできるサイトはあります。

 

主に公立系の学校一覧はこちら。

当事務所の場合、公立はおよそ自治体サイトでチェックしますので教育委員会のものは参考までにですね。

 

私立系はけっこう使えるこちら。

上のリンクを踏んで進むと下画像のページに行き着きます。
そのページの矢印で示したあたりから進むとPDFやExcelで一覧がダウンロードできるページに行くようになっています。

幼稚園と保育所の機能を併せ持ち、保全対象施設でもある幼保連携型認定こども園もここまでの資料で確認できたのではないでしょうか。

 

その他の教育施設

さて、あとは大学なのですが今のところ便利な一覧を当事務所では発見できておらず、GoogleやYahooの検索を駆使してチェックしています。噂によると大学のサテライトキャンパスは現地調査でも見つけづらいことがあるとのことで、情報の蓄積は大事だと痛感する日々です。(なお、当事務所では隠れキャンパスによる問題は発生したことがありません。)

 

忘れそうになっていましたが、図書館については基本的に自治体のウェブサイトを漁ればおおよそ一覧が出てきますのでそれを確認しましょう。

 

事前チェックは終了、あとは街に出よう

ここまで来て何も引っかかるところや嫌な予感がなければ基本的には大丈夫かと思いますが、やはり現地に実際に行って対象範囲をくまなく歩いてチェックするのは必須です(半径50~100mであればそんなに苦ではありません。)

 

やはり現地に行ってみないと分からないこともありますし、何より「建築予定」のような空き地があると警戒する必要があるからです。

当事務所ではそういう空き地問題に直面したことはないですが、もし怪しい空き地があって建築看板等でも何が建つかイマイチ分からない場合は、建築計画概要書の閲覧制度を利用して内容を確認するか、場合によってはその土地の謄本を上げて所有者を確認し、コンタクトを取ってみる必要があるかもしれません。
(もう一度言いますが、当事務所ではそこまでやった案件自体がないのでその方法が正しいかどうかは分かりません。こういう時は、目的を今一度明確にしてそれを達成するためには何を確認すべきか、必要な情報は何かを考えていく必要があり、それは人によって違ってくると思います。)

 

一応、警察署にも聞いてみる

何度かやったことがある街や駅であればそれなりに状況を把握していることでしょうから何か動きがあったところだけ知識や情報を更新していけば大丈夫ですが初めての街ではそうもいきません。
一からしっかり確認する必要があります。
(本来、風俗営業許可を扱う行政書士が情報を持ち寄ってお互いのために公開すればいいんでしょうけど…。そういうサイトないかなあ。作るかな?)

 

その場合、基本的な調査はしっかりやった上で、管轄の警察署に聞いてみるのも手です。
「そんなの教えてくれないでしょう~」と思いきや、実際にお伺いして聞いてみると「あ~、まあその辺には何もないかもね」などと話してくれることがあります。所轄保安係の方は日々その地域の風俗営業許可を扱っているわけですから、最新の状況を把握されていることは当然です。

たまに責任問題を懸念してなのか教えてくれないことはありますが、大抵は少なくとも示唆はしてくれます。
それはまあ、公務員が把握している情報を国民側にわざと教えないということは問題も孕むところなので教えてくれるのでしょう。(ただしあくまで個人の見解としてというイメージです。警察署組織として何か示唆したわけじゃないよと。)

もちろんそれが何かの保証ではありません
間違っても何か問題があったときに「生活安全課のあの人が『ない』って言ったんだモン!」という恥ずかしい真似は絶対にやめましょう。

 

警察署にも聞いてみる、ということを書いたのはこういう行政書士の中でも許認可というものは「万全を期すために思いついたことは何だってやってみよう」という気持ちが大事なんだよということをお伝えしたかった思惑もひとつあります。

 

まとめ

風俗営業許可の最初の山場、保全対象施設の調査についていかがでしたでしょうか。
この調査については人それぞれのやり方があり、地域によって活用できる資料も違うと思います。

 

東京都の場合はクリック一つで資料が入手できるものが、他では自治体に対して情報公開請求をして1~2週間後に公開、ということもあるかもしれません。

 

当事務所ももっと良い方法に気づいていないだけかもしれません。

 

「これだ!」という方法がなかなか公開されていませんのでこれから行政書士となり風俗営業許可を扱おうとする方も不安に思われることでしょう。

 

そういう方の一助になればと思いこの記事をしたためました。

 

この保全対象施設の調査を乗り切っても次に待つのは店舗の測量であったり図面作成であったり少し特殊な側面を持つ風俗営業許可業務ですが、普段見過ごしてきた街の仕組みなどにも触れることがあり楽しさもあります。

 

これから風俗営業許可を扱う行政書士が増えることを少しだけ期待しつつ。







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