道路使用許可

風営新1号店(例:キャバクラ)の販促ティッシュは街頭で配布できるのか

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風営1号店(例:キャバクラ)の販促ティッシュは街頭で配布できるのか

 

東京都小平市のこだたま行政書士事務所です。

今日は僕が窓口となって弁護士や司法書士と一緒に進めている案件で、最終段階に入るので一堂に会して打ち合わせしました。

やはり、こうやって他士業とのネットワークを日頃から構築できていることは、当事務所の強みでもあります。

 

 

さて今回は「キャバクラのティッシュって街頭で配っていいの?」という話です。

 

まずもって大きな前提として、公道や私道を問わず、不特定多数の人が行き交う道路などは「交通のため」に整備されているものであり、そこで交通以外の、今回の話で言うと「販売促進物の配布」ですけれども、目的で道路を使用することはできません。

しかし、配布する地域を管轄する警察署長から「道路使用許可」を得ることによってその許可で定められた場所、期間、目的の限りで道路を使用できるようになります。

道路使用許可自体についてはまた後日どこかで詳しくお話することとしますが、今回は「夜のお店である風俗営業1号(キャバクラやホストクラブやスナック等)の集客を目的としたビラやティッシュ配りのために、道路使用許可は降りるのかどうか、そして問題なくティッシュ配りができるのか」という点に焦点を当てます。

警察署によって対応が違う?

つい先日、以前からお付き合いのある1号(旧2号)許可店の店長様から「店で働いてくれるキャスト(女の子)の募集手段として、街頭でティッシュを配布したい、そこで道路使用許可を取れないか」という相談がありました。

 

そう言えば、その手のティッシュやビラってのは無許可でやってるもんだと勝手にイメージしていましたが、そのお店はきちんと風営法の許可も取っているし真面目なだけに、ちゃんと許可を取って配布したいということでした。

 

そこで、昨日たまたま別件で立ち寄った小平警察署でついでに聞いてみたところ、「風営法絡みの販促はダメ!」と瞬殺されたのですが・・・本日警視庁本部に照会したところ、なんと、「警視庁として風俗営業の販促という一点のみを取って不許可にすることはない、但し性風俗はダメ。結局は内容次第。」と回答を得たのです。

 

念のため、本部照会済の強みを携えて実際の配布予定場所を管轄する立川警察署、東大和警察署、東村山警察署にも直撃取材(電話)したところ、なんだかんだで同様の意見でした。

 

ん?

てことは、小平警察署だけが許可を出さず、上記3所轄は許可を出す?

本来、同じ警視庁管轄で対応が違うのはかなり違和感があるとは言え、実質的には各警察署長の裁量に任されているということですから、まあ、そこはいいでしょう。今回の配布予定場所に小平市が入ってなくてよかったな、というくらいで平和にいきましょう。笑

というわけで、いくら本部の見解がOKとは言え、全ての警察署で同じ対応になるとは限らないということは肝に銘じておきましょう

 

 

道路使用許可を取れば全てOKなのか、もう少し確認してみよう

 

んじゃまあ、警察署長から許可を取れればそれで手放しで配りまくっていいのかということにまだ不安を覚えた僕は、もう少し調査してみました。

 

何を調査したか。

それは、条例です。

 

東京都条例や市条例で配布行為が禁止されていればいくら道路使用許可を取っていても、条例違反になってしまいますが、そんな場合で警察署長が道路交通法上の許可である「道路使用許可」を出したとしても、警察署長に何ら落ち度はありません。

法律と条例は別物であって、警察署長としては道交法に基づいて判断し、許可を出すか出さないか決めるのであって、条例のことまで考える必要はないからです。

 

んなもんで、そこはこちら側で確認しておく必要があります。

現時点での調査の限りですが、東京都迷惑防止条例において曖昧と取れる部分が一点あります。

 

公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例

(不当な客引行為等の禁止)

第7条第1項第3号

異性による接待(風適法第二条第三項に規定する接待をいう。以下同じ。)をして酒類を伴う飲食をさせる行為又はこれを仮装したものの提供について、客引きをし、又は人に呼び掛け、若しくはビラその他の文書図画を配布し、若しくは提示して客を誘引すること(客の誘引にあつては、当該誘引に係る異性による接待が性的好奇心をそそるために人の通常衣服で隠されている下着又は身体に接触し、又は接触させる卑わいな接待である場合に限る。)。

 

ここなんです。

一瞬、キャバクラのような「異性による接待をして酒類を伴う飲食をさせる行為」をする店でもビラその他文書図画配りによる客の誘引が禁止されているように見えます。

でもここをしっかり読み込むと、客引きは無条件にダメだとしても、「ビラ等の配布による客の誘引」については、「接待が性的好奇心をそそるために人の通常衣服で隠されている下着又は身体に接触し~(中略)~に限る」とカッコ書きがついています。

要は、そのお店がキャバクラカテゴリーで言えばいわゆる「セクキャバ」等にあたる場合に限るということですね。

 

通常の真面目なキャバクラ(?)はここでは除外されているということです。

 

「通常のキャバクラ」とは言っても僕は行かないので(ここは強調しとけ)実際どうか分かりませんが、普通のお店では、キャストは綺麗なドレスなどを身にまとい、過度な露出はなく、お触り厳禁でやっているでしょうから上記の禁止事項の対象ではないと考えられます。

建前ではそういうことです。
実際に過度なサービスをやっているお店のティッシュ配りは・・・実質的にはもろもろ違反になりうるので、その辺は経営者や管理者の方が判断してください。

(なお、お客さん向けの販促ティッシュと、店で働いてくれるキャスト募集の意味が強いティッシュは、警察の中では「同じもの」として扱われているようです。また、1号店のようなキャバクラレベルではなく、いわゆる性風俗関連のお店の販促ティッシュになってくると、現状としてそもそもほとんどの店の存在自体が違法であるし、内容も過激にならざるを得ないので、単なる配布であっても道路使用許可がおりないのはもちろん、上記都条例でも明確に禁止されています。)

 

そうであれば、この東京都迷惑防止条例においても

  • 無言で(声を出すと大抵それが呼び込みやスカウトと取られる可能性大)
  • 不特定多数に

配布するのみであれば、禁止されていないと解釈するのがごく自然だと思われます。

 

一方、いくつかの市条例のパンフレットを参照したところ、「(客引きやスカウト行為は禁止だが)不特定対数へのティッシュ配布は禁止されていない」と明確に解説がつけられています。

(例:新宿区公共の場所における客引き行為等の防止に関する条例

(例2:立川市客引き行為、勧誘行為、客待ち行為、つきまとい行為及びピンクちらしの配布等の 防止に関する条例

 

従って、都条例、市条例をもってしても、キャバクラのティッシュ配布は禁止されていないと考えられます。

 

 

新1号店のお代官役、風俗営業法上では規制されているのか

では、灯台下暗し、風俗営業法上での広告規制はどうでしょう。

 

関連しそうなところをピックアップしてみました。

 

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

(広告及び宣伝の規制)

第16条

風俗営業者は、その営業につき、営業所周辺における清浄な風俗環境を害するおそれのある方法で広告又は宣伝をしてはならない。

 

まずはここ。「営業所周辺の清浄な風俗環境を害するおそれのある方法で広告又は宣伝をしてはならない」という文言がありますが、これはもう解釈としては「デカデカと看板作って、そこに過激な文言や女の子の写真なんかは載せんなよ」みたいなイメージで捉えて構わないでしょう。

よって、真面目な内容でティッシュやビラを作って、それを配布することはここには該当しません。

 

他にもあとひとつ関連する条文があります。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

(禁止行為)

第22条第1項第1号
当該営業に関し客引きをすること。

同第2号
当該営業に関し客引きをするため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。

 

これも結局は、条例のところでも述べた「客引き」等に当たる行為を禁止事項として言っているわけであって、ティッシュ配りはここには該当しないでしょう。

 

 

最後はモラルに任された。節度のあるティッシュ(ビラ)配りを。

 

ここまで見ても、キャバクラティッシュは道路使用許可のみで配布OKである見込みが強いです。

なので、きちんと風営法の許可を取って真面目に経営しているお店は、しっかりした集客計画、事業計画の元で然るべき許可を取ってティッシュ配りをやりましょう。

 

しかし言い方は悪いですが、やはりどうしても一般的にはなかなか理解されづらく、近隣住民から歓迎されるということはほぼない業界です。

単なる配布とは言っても、サービスの内容が内容だけに、いちゃもんも付けられるかもしれません。
(善良な市民だけでなく、例えば、A市で営業している店が、一駅となりのB市でティッシュ配りをしていると、B市を縄張り(?笑)としている反社会的勢力(暴力団など)の方々が文句を言ってくることがあるようです。なお、善良な市民の方のご意見はある程度尊重すべきですが、反社会的勢力の方の圧力には決して負けないでよいです。即、その地域を管轄する組織犯罪対策課に通報しましょう)

なのでせめて、事業者、配布者はモラルをしっかりもって頑張ってください。

やはり18歳未満(場合によっては20歳未満)と思われる方や高校生(仮に成人していても高校生まではそういう業界に絡ませてはいけません。)などに渡してはいけないし、客向け販促であれば特定の男性に、キャスト募集配布であれば特定の女性に声をかけた瞬間に客引き、スカウト行為になってしまいます。

違法、違反ということは置いといても、それは迷惑行為に間違いないですし、真面目に道路使用許可まで取ったとしても、「もはや店としてなってない、NG」とクチコミされても仕方ありません。

 

その辺りは大人の責任として節度を持ち、実行してもらいたいものです。

 

夜のお店も、憩いの場として必要としている方はたくさんいます。

それをみすみす業界側がつぶしてしまわないように、ルールを守ってしっかりやっていきましょう。







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