風俗営業許可

風俗営業法とダンス

更新日:

前々から巷で議論されている、風俗営業とダンスの話。

 最近も、こんな記事。

【キース・カフーン不定期連載】日本の音楽ビジネスの“ガラパゴス化”

 この記事の「10.レッツ・ダンス!」の部分ですね。




 この辺の議論について前々から気になっているのが、「ダンスを規制」という表記です。

 風俗営業法のどこを見ても、実は「ダンスを規制する」とは一切書いてありません




 規制しているのは「ダンス営業」です。




 ここがいつも食い違っているので、いつまでもこの議論が続いているのだと思います。

 まあ、ダンス規制もダンス営業規制も効果としては変わらないと思われる方もいらっしゃいますが、けっこう違います。

 まず、規制の中に営業時間制限があって、通常は午前0時以降の「営業」を禁止しています。
 逆に言うと、きちんと許可を取れば、0時まではダンスさせる営業もオッケーなわけです。
 仮にダンスを規制していたら、0時前であろうがそれ以降であろうが、ダンスはダメですよね。

 そして、ダンスしていた客が風営法違反で捕まることはありません。あくまで規制するのはダンス「営業」ですから。




 そもそも、クラブが風営法違反で摘発される本当の理由、というかきっかけは、ほぼ同業者のタレ込み(妬みなどによる)か、近隣住民の苦情です(もちろん中には違法薬物や暴力がきっけとなることもあります)。前者はさておき、後者については、クラブ営業が近隣に何らかの迷惑をかけたということが推測されます。




 同じく風営法の適用を受けるスナックやキャバクラも、本来0時までの営業ですが、実際は2~3時までやっています。(これも、全部が全部ではなく、年始くらいの記事で触れた知り合いのキャバ経営者は、時間になったらしっかり店閉めてました。)

 そしてそれは警察も把握しています。

 それでも摘発されないのは一応は風営法の許可を取ってはいるし、何よりも、「(近隣住民など)誰にも迷惑をかけていない」からです。




 そういうわけで、やむにやまれぬ一斉ローラー作戦を除けば、クラブが風営法違反で摘発されるのは、その営業方法や店側の管理に何らかの問題があった場合です。




なので、冒頭にご紹介した記事にある「(客が)ダンスしたら逮捕されることを心配」することは今後も2000%必要ないことなので、ご安心を。笑




 ダンス文化を守りたい、発展させたいから風営法と切り離したいということであれば、「ダンスを規制するな」という切り口だと立法もしくは公安から見て「いやいや、ダンスや文化は規制してないから」で終わってしまいますから、「ダンス営業を規制するな」という切り口にシフトする必要があるのかなと思っています。




 なぜダンス「営業」が規制されているのか、クラブ「営業」が他の業界よりも多く抱える問題点があるとすれば、それは何なのか、そしてその改善策などを深く考えて、然るべきところに働きかけることからスタートなんだろうなと思います。

 風営法は営業方法だけでなく、営業場所の規制(住宅街での営業禁止や、病院や、保育園のような福祉施設等からの距離制限など)もしているので、そこから完全に除外するということは、最悪の場合、病院の隣に24時間営業できるクラブができる可能性すらあるということです。その辺をどうするかということも考えて、併せて主張していかなくてはなりません。




 音漏れの問題をクリアしたとしても、入院患者もいる病院の隣の建物に、深夜にかけて人が出入りする環境などは良いとは言えないので、業界としての自律も求められますし、例えばダンス業法などの新たな立法が必要になるかもしれません。

 今のところ、除外を主張する人でその辺まで触れてくれている人はいないように思いますが、風営法を考えるときには、必ず触れるべき点でもあります。
 他にも、少年少女の保護や、反社会的勢力の排除など、いろんな理念が風営法には込められています。




 文化を規制する風営法は時代遅れ(上記した通り、風営法はダンスを規制していないので、そもそもこの言い方自体誤りではあるのですが)と言うだけでなく、実は風営法が今もなお果たしている役割があるということにも着目して、その上で除外したいんであればその代替策も併せて提示する、という具合にやっていかないと、いつまでも不毛な議論を続けていくんじゃないかなあと思うのです。




 個人的には、ダンス営業が風営法の管理下に置かれていることは、規制云々より健全な資金調達の面で難がある(風俗営業を融資の対象外としている場合も多い)ので、かわいそうな気もしますが、それは風営法改正だけが改善手段ではなく、融資する側の取り計らいによっても変えることはできますね。

 ・・・とはいえ、一部の経営者によると、風営法の対象になっているからこそアングラ的で燃える、という方もいらっしゃいます。笑(これで笑うためには、風営法以前の普通の健全な経営が必要ですけどね。)
人それぞれです。



 最後に少し嫌味的な余談ですが、ダンスを規制するなという主張をする人の一部には、ダンスを「風俗」と一緒にするなという意味の主張をする人がいます。




 おそらく、性風俗から来るイメージで「そういうもの」とダンス文化をひっくるめて語るなということなのでしょうが、性風俗産業の是非は置いといて、もともと風俗というものは、「風習と世俗」というような、民間に溶け込んだ習わしのことを言います。

 今の時代は風俗というと「フーゾク」、つまりソー○ランドやピ○サロやデ○ヘル(アメーバはこういう言葉に厳しいということを聞くので、伏せ字)などの性的なものを連想する人も多いのでしょうが、実はそちらの方が誤用というか、ある種の隠語のようなものなのです。




 風俗こそ民衆文化であって、僕たちの身近にあるものです。




 それを分かっていて「風俗と一緒にするな」だったら、まあいいです。
 「ダンスとはもっと高尚なものであって、民衆文化でない」というのであれば、それ以上ダンス文化を深く研究もしていない僕が論じることはできません。

 でも本当にそうなんですかね。

 ダンスを守りたいと言う人は、音楽を愛し、いや、音楽がなくてもいつでも誰でも踊れる、踊ることで年齢も性別も立場なども関係なく自己表現をし、時には一体感を得られる、そういうダンスを守りたいじゃないんですかね。




 この辺はどうなのでしょうか。

 本当に、風営法は歴史もあるし奥が深い法律ですから、考えは尽きないですね。







-風俗営業許可

Copyright© 飲食店開業の手引き│小平市~多摩地区の飲食店営業許可を取りたい人のためのサイト , 2019 All Rights Reserved.